さあ乗ろう!
Let's Ride !
絶叫マシンの花形、ローラーコースター。 日本では「ジェットコースター」の呼び名で親しまれており、規模の大小を問わなければ、全国の遊園地に設置されています。 英語では「Roller Coaster」。 「ジェットコースター」はもともと機種名(ジェット機に由来)で、そのまま定着したそうです(詳細はサイト「絶叫Review」に掲載されていました)。 ローラーコースターはアメリカ生まれ。採掘・工事現場のトロッコに乗って坂を下る楽しみが、やがて遊具に転じ、現在に至っています。
ローラーコースターは各種条件により、同一マシンであっても、印象が大きく変わると言われています。 主な条件は、以下に集約されると思います。
1) 乗車位置
怖いのは一番前か、一番後ろか?
コースターファンの間でも議論になることが多いです。
実際、特にライド編成が長い場合は、乗車位置に応じて乗り味が大きく異なります。
大まかな特徴を、最前列、2〜3列目付近、中央付近、最後列付近にて比較してみます。
機種別のトピックがあれば、併せて掲載します。
乗車位置 | |
最前列 |
特長) 完璧な視界と風圧を一人占めできる特等席。 登り坂に入る瞬間(ループ突入時を含む)に、大きなプラスGが掛かる。 坂を登り切った瞬間に、強い浮きを感じることがある。 弱点) ドロップへの突入は緩やか。 ドロップしようにも、後続車両(坂を登りきっていない)に引っ張られ、ブレーキが掛かっているようなもの。 落ち始めから加速が始まるまで時間差があり、「なかなか落ちていかない」感じである。 景色を楽しめる時間が長いとの見方もできる。 機種別トピック) インバーテッドコースターでは空中飛行を体感でき、感動的。 ドドンパやシャトルループのような射出型マシンでも、猛ダッシュをダイレクトに体感できる。 サンダードルフィンやカワセミなどインタミン製コースターは、巻き上げ速度が高く、そのままドロップに入る(初速が高い)ので、比較的スリルあり。 またビッグバーンコースターは緩斜面で加速後ドロップするので、同様にスリルがある。 逆に、スチールドラゴン2000は、巻き上げ開放時に減速するので、ドロップが遅れ気味。 しかし大きな落差があるので、不満は解消される(FUJIYAMAでは若干の不満が残る)。 小規模コースターでは、坂を下りきった後で加速するという、間抜けな状態になることもある(浦安鼠陸・大雷山の3度目の巻上げなど)。 メガコースター四次元は、ハートラインロール突入時に浮遊感あり、気持ちよい。 シャトルループやリニアゲイルのような往復型コースターでは、 前方への登りにて、最高高度を楽しめる。 |
2〜3列目付近 |
特性) 前が見えすぎず、ドロップも遅いので、初心者向き。 コースターマニアには物足りない。 機種別トピック) 低速ループマシンとして知られるトルネード(東京サマーランド)は、ループ頂上に達した時にブレーキが掛かり、絶妙なゼロGを味わえる。一瞬、ループの内側に落ちるような感覚になる。 サンダードルフィンやカワセミなどインタミン製コースターは、2列目の座席が高くなっているので視界が良く、初速も高いので、なかなかイケる。 |
中央付近 |
特性) スピードの持続感あり、あまり減速しない。 バランスが良い(無難)というところ。 |
最後列付近 |
特長) 十分加速した後、ドロップ突入となり、強烈な引きずり込みや内臓浮上感を楽しめる。 「最後列は怖い」と言われるとおり、最もスリリングな特等席である。 ループ突入時などはプラスGが抑えられ、身体への負担が低い。 弱点) 登りはスピードが落ちて、もっさりした感じになる。 機種別トピック) 1stドロップは、コースターの個性が強く出るところ。 例えばFUJIYAMA、サンダードルフィン、スチールドラゴン2000、タイタンは、それぞれ全く異なる味わいなので、ぜひ堪能してほしい。 高度ではいちばん劣るタイタンが、意外に健闘しているので、驚きますよ。 メガコースター四次元は、後方は振動が強い上に、反転状態(頭が下)が長く続くので、身体への負担が大きい。 シャトルループやリニアゲイルのような往復型コースターでは、 後方への登りにて、最高高度を楽しめる。 |
以上のように乗車位置を変えることで、一つのコースターを何度も味わうことができますが、
パーク・マシンによっては残念ながら乗車位置を選ぶことができません。
コースターの設計仕様にも依存しているようです。
特にトーゴ製のマシンはその傾向が強く、空いてるときは前詰め乗車になってしまう。
前詰め乗車を指示されるマシンは、例えば以下のようになります。
FUJIYAMA、バンデット、ホワイトキャニオン、サーフコースター、ループスクリューコースター(西武園ゆうえんち)、カワセミなど
右側 / 左側の選択も重要です。 近年、急バンクカーブを描くマシンが増えており、このようなマシンでは、「右回りなら右側」「左回りなら左側」を選択します。 バンク時は空中飛行のような視界を楽しめます。 FUJIYAMAやサンダードルフィンならば、右側の席がお薦めです(FUJIYAMA左側の巻上げ展望も捨て難い)。 ええじゃないかも、左右で乗り味が異なるので、両方チェックしておきましょう。
2) 空席状況
一般に「ライドは満席の方が良い」とよく言われます。
確かに空席が多いとパワー不足を感じてしまう。
万有引力の法則では、スピードは変わらないはずなので、
ライド総質量による運動エネルギーの大小が影響すると思われます。
ホワイトキャニオン(よみうりランド)は、満席 or ガラガラで、天地の差が出てしまう。
待たずに乗れるほど空いているが、ライドもガラガラ。 スタッフに前詰め乗車を指示されると、乗り放題でもすぐに飽きてしまう。 もちろん、長時間待ちを強いられる混雑は願い下げ。 満員のライドに待たずに乗れる絶好条件は、なかなか難しい。
3) 気象条件
マシンの乗り味を左右するのは「気温」。
高温では高速、低温では低速、となります。
理由については諸説ありますが、構造物の膨張や、潤滑油の柔らかさなどに起因するらしい。
1日だけの滞在でも、朝一と夕方とで、かなり乗り味が異なることが分かります。
ルーピングスター(長島スパーランド)では、朝昼とで同じ乗り物とは思えないほどでした(冬季)。
FUJIYAMAではヒーターで車輪を暖めていることもあります。
結論として、夏の午後が好条件となりますが、暑さが苦手な筆者にとっては「シーズンオフ」だったりする。
ここは各自で検証してください。
気象条件については、気温以外に注意するべき点が多数あり、コーナー Let's Plan !(計画しよう!) で取り上げます。
以上の条件を考慮して、最高のコースター体験を楽しんでください。