ビッグバーンコースター
BIG BOOM Coaster
那須ハイランドパーク
(固有機種)
ビッグバーン・コースターはパーク最奥に位置する青いフォルムのコースター。ほとんど垂直に落ち込むファーストドロップは遠方からでも目立ち、インパクト絶大だ。1987年登場。
駅舎は簡素で、中二階くらいの階段を登ると、すぐにホーム。 乗車位置を自由に選べるので、最前列と最後列は押さえておきたい。 荷物はホーム上のバスケットに入れておこう。 しかし「携帯電話など、落とされますと粉々に壊れます。」のアナウンスには笑った。 ライドの安全器具はとても厳重で、シートベルトは無いものの、上からのハーネスと、下からの左右共通ハーネスの二段構成。 なんだか乗る気が失せてしまうが、実際に乗ってみても足元は狭く、やはり窮屈。 万歳するなら、自由に手を動かせる程度。 係員は一人しか居ないようだし、特にチェックもしないので、可能な限り緩々にしておこう。それでも十分に安全が確保されると思われる。「ハーネスをロックしました」とのアナウンスがあれば、いよいよ発進だ。
直進すると巻き上げ。左手に75度のドロップを眺めつつ、緩慢な速度で登ってゆく。 巻き上げ上部からドロップを見下ろすと、ホントに垂直に見えてしまう。 登り切ると、ほぼ水平な円状のコースを、左回りで2/3周する。 那須高原の樹海を眺めつつ、いい景色だなぁ、と呑気に構えていると、 コースターは徐々に加速していく。 さらに加速して向きが変わり、進行方向に第2高点とループが一直線に並ぶと、いよいよドロップ。 速度を上げて突入するので、「うわっ!」という感じ。 シートから尻が完全に浮き上がり、 自由落下というよりも、ライドごと叩き落とされる。 背中から強制的に押し込まれるように落とされる。 やっぱり、この落しは凄いです。
そのまま第2高点への登り。 高低差を大きく取っているので、上部はモタつき気味で、浮きません。 そのぶん、セカンドドロップは落差が大きく、斜度も60度近くありそうで、とても「いい感じ」。 ファーストドロップの余韻を、十分に楽しめる。
続いて垂直ループ。 速度が落ちているのか、通過時間が長い。 「1回転しているんだなぁ」と実感できる、見事なコース展望。 思わず見入ってしまう。そして地面に落ちると、ムギューっとGが掛かってくる。
第4高点への登りは高低差が小さく、微妙に浮くかもしれない。 そして左180度ターンに入るが、コース脇にゴムタイヤが並んでいるなぁと思ったら、なんとブレーキ。 最終ドロップもブレーキが効いており、もう終わっている。 ゴムの焦げたような臭いは、故ムーンサルト・スクランブルを連想させられる。 そのまま直線コースを徐行して終了。 本来なら最終ドロップまで楽しめるはずだが、 旧式ブレーキなんだろうなぁ、勿体無いレイアウトである。
まとめ)
実質、直線エレメントのみで構成され、ファーストドロップ、セカンドドロップ、垂直ループ、第4高点の順に展開する。このマシンの魅力は、75度のファーストドロップに集約される。この傾斜角度は、国内の純粋な巻き上げ式コースターにおいて最大であり、2003年に登場したサンダードルフィン(公称 約 80度)をも上回る。落差では大差をつけられたものの、落し込みの強烈さは、今でも色褪せることはない。
加えて、第1高点の緩斜面で加速をつけてドロップするので、前方の席でも予想外に強烈な落しを味わえる。演出面を含め、とても優れた設計と思う。
最後にエピソードを一つ。わが子と乗った時のことである。
下側のハーネスは左右共通であることから、体格の小さい方に合わせると、非常にツラい状況になる。
だから、子供側のハーネスはスカスカになっていた。
不安がる子供をなだめて、1周。
「体が30cmくらい浮いて、メチャ怖かった。」
私のリアクションは、
「いいなぁ、羨ましいなぁ、私もそれ、やってみたいよ。」
ということで。
項目 | 値 | 備考 |
最高地上高度 | 38.4m | |
最高時速 | 88km/h | |
最大斜度 | 75度 | 掛け値なしで、見た目は垂直。 |
最大G | 4.81G | |
軌道延長 | 657m | |
運転時間 | 3分 | 巻上げ開始から1stドロップまでの時間が長いようだ。 |
乗車制限)
身長120cm未満ほか。